墓地を中心として町があるのは、ご先祖様に感謝する日本人の心情のあらわれ。桜が咲けばみんなで集まり花見。散歩したり季節を感じたりと、墓地はとても落ち着く場所でもあるのです。そして浄名院の古木の枝がバッツリ刈られて、幹だけが並ぶ姿はまるで羅漢像のようだ。撮影中に道行くお年寄りに訪ねる。「いつ伐採されたのですか?」「去年の夏だよ。」「随分あっさりしちゃいましたね」「百年もすればまた生い茂るよ」。ここらへんの風景は千年経っても変わらないのだろう。